基本情報技術者試験とは?合格率40%前後の内訳と科目A・科目Bの勉強法|受験手数料7,500円

基本情報技術者試験はIPAが実施する国家試験で、受験手数料は7,500円(税込)、CBT方式で通年受験できます。科目Aが90分60問、科目Bが100分20問。合格には両科目とも1,000点満点で600点以上が必要です。直近年度の年間合格率は40%前後で推移しています。

この記事でわかること

  • 科目A・科目Bの時間と出題数、受験手数料7,500円という基本条件
  • 合格基準1,000点満点中600点が「何問正解」に置き換わらない理由(IRT方式)
  • 年間合格率が出典によって38.3%と39.9%に割れる事情と、どう読めばよいか
  • 科目Aと科目Bで勉強時間の性質が違うこと。配分の目安
  • 科目A免除制度の使いどころ
  • インフラ・ネットワーク職で基本情報がどう評価されるか

公的情報源: IPA 独立行政法人情報処理推進機構「基本情報技術者試験」(参照)/同「スケジュール、手数料など」(参照)/同「統計情報(基本情報技術者試験)」(参照)※2026年8月時点

先に押さえたい4つの数字

基本情報技術者試験で最初に押さえる数字は、7,500円・90分60問・100分20問・600点の4つです。すべてIPAが公表しています。

一方で、「合格率◯%」という数字は、集計する期間の取り方で変わります。ここを分けて読むかどうかで、計画の精度が変わります。

この記事の要点
  • 受験手数料は7,500円(税込)。CBT方式で通年いつでも受験できる
  • 科目A90分60問・科目B100分20問。両方で600点以上が必要
  • 採点はIRT方式。「1問◯点」の固定配点は存在しない
  • 年間合格率は40%前後。ただし出典で38.3%〜39.9%と割れる
  • 勉強時間は科目Aが知識量、科目Bがアルゴリズム慣れで性質が違う

IT未経験からエンジニア職を目指す流れの中で、この資格をどこに置くかを先に決めておくと迷いが減ります。

目次

基本情報技術者試験とは?IT職の入口にあたる国家試験

基本情報技術者試験とは、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が実施する情報処理技術者試験の一区分です。IPAが示す対象者像は、ITを活用したサービス・製品・システム・ソフトウェアを作る人材に必要な基本的知識と技能をもち、実践的な活用能力を身に付けた者

スキルレベルはレベル2です。IT職の登竜門と呼ばれ、新人研修や内定者課題に組み込む企業も少なくありません。

基本情報技術者試験の概要(2026年8月時点)

項目内容
実施機関IPA(独立行政法人情報処理推進機構)
スキルレベルレベル2
受験手数料7,500円(消費税込み)
実施方式CBT方式・通年随時
科目A90分/多肢選択式(四肢択一)/60問
科目B100分/多肢選択式/20問
合格基準科目A・科目Bとも1,000点満点中600点以上
受験資格制限なし

受験手数料の7,500円は、ネットワークスペシャリストなど上位区分と同額です。情報処理技術者試験は区分によらず一律で、消費税込みの金額が公表されています。

通年で受験できるのが最大の利点です。年2回の日程に合わせる必要がなく、仕上がった時点で申し込めます。

科目A・科目Bの違い

  • 科目A・科目Bとも1,000点満点中600点以上で合格
    • 科目A90分・60問の四肢択一。1問あたり約1分30秒で、テクノロジ・マネジメント・ストラテジの知識の広さを問われる
    • 科目B100分・20問の多肢選択。1問あたり約5分で、アルゴリズムと情報セキュリティの読解・追跡を問われる

図:科目Aは知識の広さ、科目Bはアルゴリズムの追跡力。両方で600点が要る

科目Aと科目Bは、性質がまったく違う

同じ試験の2科目ですが、求められる力は別物です。ここを混同すると学習配分を誤ります。

科目A・科目Bの違い

項目科目A科目B
時間/問題数90分/60問100分/20問
1問あたりの時間約1分30秒約5分
問われる力知識の広さ(テクノロジ・マネジメント・ストラテジ)アルゴリズムと情報セキュリティの読解・追跡
対策の性質過去問の反復で伸びる手を動かしてトレースしないと伸びない
つまずく人範囲の広さで息切れ擬似言語の追跡で手が止まる

科目Aは量で押せます。過去問を回した分だけ得点が伸びる、素直な科目です。

対して科目Bは、読んで理解した気になっても解けません。擬似言語のコードを1行ずつ紙の上で追う練習をしないと、20問100分の時間内には収まらないのが実情です。

令和8年度の制度改訂でも、基本情報は変わらない

2026年度(令和8年度)から、情報処理技術者試験の一部区分が大きく変わりました。ネットワークスペシャリストなどの高度試験がCBT方式へ移り、実施回数も年2回になっています。

一方で基本情報技術者試験は、以前からCBT方式の通年実施です。今回の改訂で受験の仕組みが変わることはありません。

上位区分の変更点を含めた整理は、ネットワークスペシャリスト試験の令和8年度CBT化でまとめています。基本情報の次を考えている方は先に読んでおくと、順序を決めやすくなります。

合格基準は600点。ただし「何問正解」には置き換わらない

合格には、科目A・科目Bのそれぞれで1,000点満点中600点以上が必要です。片方だけ超えても合格にはなりません。

ここで多くの受験者が引っかかるのが、600点=60%正解ではないという点です。基本情報技術者試験の採点はIRT(項目応答理論)方式で行われます。

  1. 受験者全体の解答結果をもとに、問題ごとの重みが算出される
  2. 「1問◯点」という固定配点は存在しない
  3. 同じ正答数でも、どの問題を正解したかで評価点が変わりうる
  4. 通年で違う問題セットを受けても、スコアを比較できる仕組みになっている

つまり「60問中36問取れば受かる」という計算は成立しません。難しい問題を落として易しい問題を確実に取る、という戦略が数字の上でも意味を持ちます。

採点方式の誤解と実際

よくある誤解(固定配点)
考え方
1問あたりの点が決まっていて、合計点で合否が決まると考える
計算
60問中36問取れば600点に届くと逆算してしまう
結果
この計算は成立しない
実際(IRT方式)
考え方
受験者全体の解答結果をもとに、問題ごとの重みが算出される
配点
固定配点は存在しない
評価点
同じ正答数でも、どの問題を正解したかで評価点が変わりうる
ねらい
通年で違う問題セットを受けても、スコアを比較できる仕組み

図:600点=60%正解ではない。IRT方式では正答数から合否を逆算できない

合格率は「40%前後」。出典で数字が割れる理由

年間の合格率は、直近年度で40%前後を推移しています。ただし調べると、同じ令和7年度でも38.3%と39.9%という異なる数字が出てきます。

理由は集計の取り方です。IPAは月次で結果を公表しており、それをどの期間で合算するか、応募者と受験者のどちらを分母に置くかで数字がずれます。

合格率の推移(各社が公表するIPA集計値・年度単位)

年度公表されている合格率
令和7年度38.3%〜39.9%(集計により差)
令和6年度40.8%
令和5年度47.1%
ペーパー試験時代(〜令和2年度)概ね22〜25%

読み取れることは2つあります。ひとつはCBT移行後に合格率が明確に上がったこと。ペーパー時代の20%台から、40%前後へ倍近く動いています。

もうひとつは、移行直後の高い水準からは下がってきていることです。令和5年度の47.1%から令和7年度は40%を割る水準へ。難易度の調整が進んでいると読むのが自然でしょう。

小数点以下の違いに意味はありません。「2人に1人よりは厳しく、3人に1人よりは易しい」という粒度で押さえておけば十分です。

科目A免除制度という選択肢

基本情報技術者試験には、科目A試験の免除制度があります。IPAが認定した講座を修了し、修了試験に合格すると、一定期間は科目Aを受けずに済みます。

科目A免除制度の向き・不向き

状況免除制度の使いどころ
独学で科目Aの過去問が7割取れている使う必要はない。そのまま受験する
範囲が広すぎて手が止まっている講座のカリキュラムで進行を管理でき、効果が出やすい
学生・新人研修で講座受講が用意されている無償で使えるなら活用しない理由がない
費用を抑えたい講座費用が受験手数料を大きく上回るため、割に合わないことが多い

免除は「科目Aが弱い人の救済」ではなく、学習の進行管理を外部化する手段と捉えるのが実態に近い使い方です。

勉強時間の目安と、科目Bで止まらないための順番

必要な学習時間は、出発点で変わります。IPAは学習時間の目安を公表していないため、以下は教材ベンダーと合格報告の公開情報から整理した目安です。

出発点別の学習時間の目安

出発点科目A科目B合計
IT完全未経験200〜300時間50〜100時間250〜400時間
ITパスポート取得済み100〜150時間50〜100時間150〜250時間
実務1年以上(運用・監視など)60〜100時間40〜80時間100〜180時間
プログラミング経験あり100〜150時間20〜40時間120〜190時間

注目すべきは科目Bです。プログラミング経験の有無で、必要時間が2〜3倍違います。逆に言えば、経験がない人ほど科目Bに時間を確保しないと当日に崩れます。

未経験からの学習ロードマップ(合計約300時間)

期間学ぶ範囲目安時間到達点
1〜4週テクノロジ系の基礎(ハード・ソフト・DB・NW)80時間用語を自分の言葉で説明できる
5〜8週マネジメント・ストラテジ系60時間科目A過去問で6割
9〜13週擬似言語の読み方・基本アルゴリズム70時間配列・繰り返しをトレースできる
14〜17週科目B演習(情報セキュリティ含む)60時間20問を100分以内で解き切れる
18〜20週総仕上げ・模擬試験30時間両科目で7割超が安定する

順番の要点はひとつです。科目Aを完璧にしてから科目Bへ、という進め方をしないこと。科目Bは慣れに時間がかかるため、早い段階で擬似言語に触れておくほうが全体では速く仕上がります。

科目Bでつまずく3つのポイント

手が止まる場所は、おおむね決まっています。

  1. 擬似言語の記法に慣れていない。IPAの擬似言語は独自仕様で、プログラミング経験者でも初見では読みにくい
  2. 変数の値を頭の中で追おうとする。紙に表を書いて1行ずつ埋める習慣がないと、ループの途中で崩れる
  3. 情報セキュリティ分野を後回しにする。科目Bの出題には情報セキュリティも含まれ、ここは知識で確実に取れる

対策は地味ですが確実です。過去問1問につき、変数の値を書き出したトレース表を必ず作る。10問続けると、頭の中で追える範囲が明確に広がります。

基本情報の学習と並行して、目指す職種の求人でどんなスキルが求められているかを見ておくと、資格の使い道が具体的になります。IT未経験からの転職支援は各社で得意分野が違うため、支援内容から選ぶのが前提です。

未経験・第二新卒向けIT特化エージェントの支援内容を見る

インフラ・ネットワーク職で基本情報はどう評価されるか

ここが、基本情報の記事であまり書かれない部分です。結論を先に書くと、インフラ・ネットワーク職では「あると良い」止まりの資格になります。

理由は範囲の重なりです。基本情報はIT全般をカバーする試験で、ネットワーク領域の比重は小さい。現場のスキル証明としては、CCNAのほうが直接的に読まれます。

職種別に見た基本情報技術者の評価

目指す職種評価のされ方
社内SE・情報システム部門高い。IT全般の基礎を問われるポジションと範囲が一致する
開発・アプリケーションエンジニア高い。科目Bのアルゴリズム経験がそのまま活きる
ネットワーク・インフラエンジニア中程度。歓迎要件に載るが、CCNAのほうが直接的
未経験からのIT転職全般高い。学習を完走した証明として書類選考で機能する

未経験からIT業界に入る場面では、はっきり効きます。国家資格で、範囲が広く、独学で完走するには一定の量が要る。「継続して学習できる人」という読まれ方をするためです。

一方、実務2年以上のインフラエンジニアが基本情報を取っても、年収の交渉材料にはなりにくいのが実態です。

資格をどの順番で積むか

ネットワーク・インフラ方向に進むなら、順番には定石があります。

  1. 未経験でこれからIT職を目指す=基本情報を先に。応募できる求人の幅が広がり、学習の継続性も示せる
  2. すでにネットワーク職に決めている=CCNAを先に。求人票の必須要件に載るのはこちら
  3. 両方取るなら=基本情報→CCNAの順。基本情報で得た用語の土台が、CCNAの学習速度を上げる

CCNAの試験制度と費用はCCNAとは?受験料・勉強時間・難易度と2027年のv2.0改訂で整理しています。受験料は300米ドル(日本円で42,600円・税別/2026年8月時点)と、基本情報の7,500円とは桁が違う点も判断材料になります。

基本情報とCCNA、どちらを先に取るか

  • 目指す職種が定まっているかどうかで、順番が変わります。
  • 未定未経験でこれからIT職を目指すなら基本情報が先応募できる求人の幅が広がり、学習の継続性も示せる
  • 決定すでにネットワーク職に決めているならCCNAが先求人票の必須要件に載るのはこちら
  • 両方両方取るなら基本情報→CCNAの順基本情報で得た用語の土台が、CCNAの学習速度を上げる

受験費用は基本情報が7,500円(税込)で有効期限なし、CCNAは42,600円(税別)で有効期限3年。まず国家試験で土台を作る順番に合理性があります。

図:職種が定まる前は国家試験、定まったらベンダー資格。費用構造が判断を支える

費用で比べると位置づけがはっきりする

資格の位置づけは、かかる費用を並べると分かりやすくなります。

IT系資格の受験費用の比較(2026年8月時点)

資格受験費用有効期限
ITパスポート7,500円(税込)なし
基本情報技術者7,500円(税込)なし
ネットワークスペシャリスト7,500円(税込)なし
CCNA42,600円(税別)/300米ドル3年

国家試験は一律7,500円で有効期限がありません。取れば一生残ります。対してベンダー資格は費用が高く、更新も必要です。

この差を踏まえると、まず国家試験で土台を作り、職種が定まってからベンダー資格に投資するという順番に合理性があります。

資格をどう並べると転職市場で評価されるかは、目指す職種によって変わります。ネットワーク・インフラ方向で必要な資格の順序と、それぞれが求人票でどう読まれるかを整理しました。年収レンジとの対応もあわせて確認できます。

資格の取得順序と転職市場での評価を見る

よくある質問

基本情報技術者試験の合格率はどのくらいですか?

直近年度は40%前後です。令和6年度が40.8%、令和7年度は集計により38.3%〜39.9%と数字が分かれます。IPAが月次で結果を公表しており、合算する期間や分母の取り方で差が出るためです。ペーパー試験時代は22〜25%程度でしたので、CBT移行後に明確に上がっています。

受験手数料はいくらですか?

7,500円(消費税込み)です。情報処理技術者試験は区分によらず同額で、ネットワークスペシャリストなどの上位区分も同じ7,500円です。CBT方式のため、期間を待たずに通年で申し込めます。

1,000点満点中600点は、60%正解すれば合格ということですか?

違います。採点はIRT(項目応答理論)方式で、受験者全体の解答結果から問題ごとの重みが算出されます。「1問◯点」という固定配点は存在せず、同じ正答数でもどの問題を正解したかで評価点が変わりえます。易しい問題を確実に取る戦略が数字の上でも意味を持ちます。

科目Bのアルゴリズムが苦手でも合格できますか?

合格できますが、科目Bで600点を取らないと不合格になるため、避けて通ることはできません。有効なのは擬似言語のトレース練習です。過去問1問ごとに変数の値を紙の表に書き出す作業を10問続けると、追える範囲がはっきり広がります。情報セキュリティ分野も科目Bに含まれ、ここは知識で確実に取れます。

基本情報とCCNAはどちらを先に取るべきですか?

目指す職種で決まります。IT職全般を目指す段階なら基本情報が先です。応募できる求人の幅が広がり、費用も7,500円と抑えられます。ネットワーク職に決めているならCCNAが先で、求人票の必須要件に載るのはこちらです。両方取るなら基本情報からのほうが、用語の土台ができる分だけCCNAの学習が速く進みます。

令和8年度の制度改訂で基本情報は変わりますか?

変わりません。2026年度からネットワークスペシャリストなどの高度試験がCBT方式・年2回に移行しましたが、基本情報技術者試験はもともとCBT方式の通年実施です。受験の仕組み・科目構成・手数料に変更はありません。

まとめ

基本情報技術者試験は、条件が明快で計画を立てやすい試験です。7,500円、通年受験、科目A90分60問と科目B100分20問、両科目で600点。ここまではすべてIPAが公表しています。

計画で外しやすいのは2点です。ひとつは合格率の読み方。40%前後という粒度で押さえれば十分で、小数点以下の違いを気にする意味はありません。

もうひとつは科目Bの扱いです。科目Aを完璧にしてから科目Bへ、という順番は失敗しやすい。擬似言語には早い段階で触れておくほうが、全体では速く仕上がります。

そして取得後の価値は、目指す職種で変わります。社内SE・開発職では高く読まれ、ネットワーク・インフラ職では歓迎要件に留まる。未経験から入口を開ける資格として使うのが、費用対効果としては最も明快です。

基本情報の学習を、そのまま転職の動きにつなげたい方へ。IT未経験・第二新卒からの支援に強いエージェントは、書類の書き方から面接対策まで支援範囲が広く、資格の見せ方まで一緒に組み立てられます。まずは支援内容と対応領域を確認してください。

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免責事項

※本記事はIPA(独立行政法人情報処理推進機構)の公開情報を整理したものです。試験制度・受験手数料・出題範囲は変更される場合があります。受験の可否や最新の実施要項は、IPAの公式発表を必ずご確認ください。合格率は公表値の集計方法により差が生じます。


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この記事を書いた人

Tanabeです。新卒でSIerに入り、ネットワークの設計から構築、運用保守、クラウド移行まで10年やってきました。その間に転職を3回、CCNPも取りました。

正直に言うと、資格を取っても年収はすぐには上がりませんでした。1回目の転職は失敗、2回目でようやく150万円上がり、3回目で今の事業会社に落ち着いた。動いてみて分かったのは、資格の有無より「現場で何を任されてきたか」で評価が決まる、ということです。

エージェントの言葉を鵜呑みにして、危うく後悔しかけた経験もあります。だからこそ、自分がやらかした失敗をそのまま書いて、同じ回り道をしなくて済むように残しています。転職を考え始めた人が、条件で損をしないための材料にしてもらえたら嬉しいです。

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