show running-configは、Cisco機器で今動いている設定(RAM上の設定)を表示するコマンドです。特権EXECモードで打ち、長い出力は「| section」や「| include」で必要な所だけに絞ります。保存しないと、再起動で消える設定です。
この記事でわかること
- running-configとstartup-configの違いと、保存のコマンド
- 出力を上から順にどう読むか(「!」の区切りと各ブロックの役割)
- section・include・begin・excludeの使い分けと実例
- 保存していない変更を見つける方法
- 設定を人に渡す前に隠すべき行(パスワードの種類)
一次情報: Cisco IOS Configuration Fundamentals Command Reference(参照)/Cisco「Understand Cisco IOS Password Encryption」(参照)※2026年10月時点
コンフィグを読んで設定の意図をつかむ力は、運用から構築へ進むときに一番問われるところです。監視・運用から先へ進む道筋は、別の記事で段階ごとに整理しました。
show running-configとは?今動いている設定を表示するコマンド
show running-configとは、Cisco IOSの機器が今まさに使っている設定(running-config)を表示するコマンドです。現場では「show run」「sh run」と略して打つことがほとんどです。
シスコのコマンドリファレンスでは、実行できるのは特権EXECモード(プロンプトが「#」)とされています。「>」のままだと打てないため、先に「enable」で特権モードに入っておきましょう。
Router> enable
Router# show running-config
設定モードで入力したコマンドは、その瞬間にrunning-configへ反映されます。画面で打った内容がすぐ効き、すぐ表示に出るのがrunning-configです。
running-configとstartup-configの違い
Cisco機器には設定が2つあります。違いを取り違えると、「直したはずの設定が、再起動したら元に戻った」という事故になります。
| 項目 | running-config | startup-config |
|---|---|---|
| 置き場所 | RAM(メモリ) | NVRAM |
| 中身 | 今動いている設定 | 起動するときに読み込む設定 |
| 設定変更 | 打った瞬間に反映 | 保存したときだけ書き換わる |
| 再起動すると | 消える | 残る |
| 見るコマンド | show running-config | show startup-config |
両者をそろえるのが保存の操作です。「copy running-config startup-config」、短く「write memory」を打つと、今の設定が起動用の設定として書き込まれます。
出力の見方|上から順に何が書いてあるか
show running-configの出力は、機器全体の設定から始まり、インターフェース、ルーティング、ログイン回りの順に並ぶのが基本です。下はルーターの出力の例で、アドレスは説明用の値、パスワードの部分は伏せています。
Router# show running-config
Building configuration...
Current configuration : 1534 bytes
!
version 15.9
service password-encryption
!
hostname R1
!
enable secret 5 (ハッシュ値・省略)
!
interface GigabitEthernet0/0
description To-ISP
ip address 192.0.2.2 255.255.255.0
!
interface GigabitEthernet0/1
description LAN
ip address 10.1.1.1 255.255.255.0
ip access-group 110 in
!
router ospf 1
network 10.1.1.0 0.0.0.255 area 0
!
ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 192.0.2.1
!
access-list 110 permit ip 10.1.1.0 0.0.0.255 any
!
line vty 0 4
password 7 (省略)
login
transport input ssh
!
end
先頭の「Building configuration…」と「Current configuration : 1534 bytes」は、設定を組み立てて表示していることと、その大きさを示す行です。最後の「end」までが設定の本体になります。
| ブロック | 例 | 何の設定か |
|---|---|---|
| 全体設定 | hostname/service/enable secret | 機器の名前・パスワードの扱い |
| interface | interface GigabitEthernet0/1 | ポートごとのIP・説明・ACLの適用 |
| ルーティング | router ospf 1/ip route | 経路の学び方・静的経路 |
| ACL | access-list 110 | 通信の許可・拒否のルール |
| line | line vty 0 4 | リモートログインの方法 |
「!」は区切り、字下げは親子関係
行頭の「!」は、設定のまとまりを区切るための印で、設定そのものではありません。字下げ(行頭の空白)のある行は、すぐ上の字下げの無い行の中身です。
例えば「 ip access-group 110 in」は、上の「interface GigabitEthernet0/1」の中の設定です。字下げを読めば、どの設定がどのポートに効いているかが分かるようになっています。
既定値の設定は表示されない
show running-configは、既定値のままの設定を表示しません。シスコのリファレンスにも、既定値で設定されたコマンドは出力に出ないと書かれています。
既定値まで含めて見たいときは「show running-config all」です。行数が大きく増えるので、後で紹介する絞り込みと組み合わせて使います。
必要な部分だけ見る|section・include・begin・exclude
本番のコアスイッチだと、show runは何千行にもなります。全部を流して目で探すより、パイプ(|)で絞り込むのが実務の基本です。
| パイプの後ろに付ける語 | 出るもの | 向いている場面 |
|---|---|---|
| section 語 | 語を含む行と、その配下の字下げ行 | router ospfやinterfaceのまとまりを見る |
| include 語 | 語を含む行だけ | 全ポートのdescriptionを一覧にする |
| exclude 語 | 語を含まない行だけ | 「!」の区切りを消して詰めて読む |
| begin 語 | 語が最初に出た行から最後まで | 後半のline設定から読み始める |
よく打つ形を並べます。
show running-config | section router ospf
show running-config | include description
show running-config | include ip route
show running-config | begin line vty
show running-config interface GigabitEthernet0/1
最後の行のように、interfaceを指定すると1つのポートの設定だけが出ます。sectionより手軽で、ポート単位の確認ならこちらで十分です。
sectionとincludeの違い
includeは「語を含む行」しか出さないので、親の行だけが並び、中身は見えません。sectionは親の行に加えて、その配下の字下げ行をまとめて出します。
「access-groupが付いているポートを全部知りたい」ならinclude、「OSPFの設定を丸ごと見たい」ならsection、と使い分けると迷いません。
複数の語をまとめて拾う
includeとsectionの語には正規表現が使えます。縦棒でつなぐと、どちらかを含む行を一度に拾えます。
show running-config | include hostname|ip route
show running-config | section interface|router
保存していない変更を確かめる
一番怖いのは、設定を変えたのに保存を忘れ、次の再起動で元に戻ることです。作業の終わりに、running-configとstartup-configの差を確かめる習慣をつけておくと安心です。
設定変更の終わりに確かめる流れ
- 変更作業のあと、保存の前と後で同じ順に見ます。
- 1変えた所をshow runで確かめるinterface指定やsectionで、狙った行だけが変わっているかを見る
- 2保存前の差分を出すshow archive config differences で、startupとの差だけを表示する
- 3copy running-config startup-config で保存[OK] と出れば完了。もう一度差分を出して、差が無いことを確かめる
保存を忘れた設定は、次の再起動でまるごと消える。
図:変更→差分の確認→保存→差が消えたかの確認、の順で終える
差分を出すコマンドは、IOSのバージョンによっては使えないことがあります。使える機器では、次のように打つと、running-configにだけある行に「+」、startup-configにだけある行に「-」が付いて表示されます。
show archive config differences nvram:startup-config system:running-config
このコマンドが使えない機器では、両方の設定をテキストで保存し、手元の比較ツールで差を見る方法が確実です。
設定を人に渡す前に隠すべき行
障害の問い合わせでベンダーにコンフィグを送ったり、手順書に貼ったりする場面があります。そのまま渡すと、パスワードや認証の文字列まで一緒に出ていきます。
| 行の例 | 中身 | 注意点 |
|---|---|---|
| enable secret 5 … | 特権モードのパスワード(ハッシュ) | 元に戻すのは難しいが、辞書攻撃の対象になる |
| password 7 … | vtyなどのパスワード | 弱い方式で、元の文字列に戻せる |
| username … secret/password … | ログイン用のユーザー | 同じ扱いで伏せる |
| snmp-server community … | SNMPの読み書き用の文字列 | 平文で出ることがある |
シスコの資料によると、service password-encryptionで暗号化されたパスワード(行に7が付くもの)は、今の基準ではとても弱い方式です。一方、enable secretはMD5でハッシュされ(行に5が付くもの)、設定ファイルから元に戻すのは難しいとされています。
「7」の付いたパスワードは、見た目が暗号でも実質は丸見えと考えてください。人に渡すコンフィグでは、数字の後ろの文字列を伏せてから渡してください。
よくある質問
show running-configを打っても「Invalid input」と出ます
ユーザーEXECモード(プロンプトが「>」)にいる可能性があります。「enable」で特権EXECモード(「#」)に入ってから打ってください。設定モード(「(config)#」)からは、「do show running-config」と頭にdoを付けると実行できます。
show runとshow running-configは同じですか?
同じです。Cisco IOSは、ほかと区別できる長さまでコマンドを略して打てます。「sh run」でも同じ結果になります。
設定したはずの行がshow runに出てきません
既定値と同じ設定は表示されません。たとえば既定のままの設定を打ち直しても、行は増えません。既定値も含めて見たいときは「show running-config all」を使ってください。
copy running-config startup-configとwrite memoryの違いは?
どちらもrunning-configをstartup-configに保存する操作で、結果は同じです。write memoryは昔からある書き方で、copyの方は保存先を変えられる汎用のコマンドです。
出力の途中で止まって「–More–」と出ます
画面1ページ分ずつ止めて表示しています。スペースキーで次のページ、Enterで1行ずつ進みます。止めずに全部出したいときは、先に「terminal length 0」を打っておくと便利です。
まとめ
- show running-configは、今動いている設定(RAM)を表示するコマンド。特権EXECモードで打つ
- startup-configは起動時に読む設定。copy running-config startup-configで保存しないと再起動で消える
- 「!」は区切り、字下げは親子関係。既定値の設定は表示されない(allで表示)
- 長い出力はsection・include・begin・excludeで絞る。ポート単位ならinterface指定
- 人に渡す前に、7や5の付いたパスワードとSNMPの文字列を伏せる
設定の中身が読めるようになったら、次はその設定どおりに動いているかです。show ip routeで経路、show interfacesでポートの状態を見ると、設定と実際の動きを突き合わせられます。
コンフィグを読み書きできる経験は、転職の場面でも「何ができる人か」を伝える一番の材料になります。資格・経験別に、ネットワークエンジニアの年収がどう変わるかをまとめた記事です。
免責事項
※本記事はシスコシステムズの公式ドキュメントなどの公開情報をもとに整理したものです。コマンドの表示や使える機能は、IOSのバージョンや機器によって変わる場合があります。業務で使う機器では、所属先の手順とベンダーの最新資料をあわせてご確認ください。

