route printの見方|Windowsのルーティングテーブル

route printの見方

route printは、Windowsのルーティングテーブル(宛先ごとにどのゲートウェイへ送るかの一覧)を表示するコマンドです。見る場所は「アクティブ ルート」。宛先に一番細かく一致する行が選ばれ、同じ細かさならメトリックの小さい行が勝ちます。

この記事でわかること

  • route printの出力を3つの区画に分けて読む方法
  • 「リンク上」や0.0.0.0の行が何を意味するか
  • 複数の行に当てはまるとき、どの経路が選ばれるかと確かめ方
  • メトリックの数字がどこから来るか(自動メトリック)
  • route addで経路を足す手順と、2つのNICで通信が迷うときの直し方

一次情報: Microsoft Learn「route」(参照)/Microsoft Learn「The Automatic Metric feature for IPv4 routes」(参照)/Linux man-pages「ip-route(8)」(参照)※2026年10月時点

ルーティングテーブルを読めるようになると、ネットワークの資格学習もぐっと楽になります。CCNAの試験範囲と勉強時間の目安は、別の記事にまとめました。

目次

route printとは?Windowsの経路表を表示するコマンド

route printとは、Windowsが持っているルーティングテーブルを表示するコマンドです。ルーティングテーブルは「この宛先に送るときは、このゲートウェイへ、このNICから出す」という道案内の一覧になっています。

コマンドプロンプトで次のどれかを打つだけで、管理者権限は要りません。

route print          (IPv4とIPv6の両方)
route print -4       (IPv4だけ)
route print 10.*     (10で始まる宛先だけ)

Microsoft Learnの「route」によると、宛先には「*」や「?」のワイルドカードが使えます。行が多いパソコンでは、見たい宛先で絞ると読みやすくなります。

pingやtracertとの役割の違い

pingやtracertは「実際に届くか」を外へ確かめに行くコマンドです。route printは外へは何も送らず、自分のパソコンが最初の一歩をどこへ踏み出すつもりかを見るだけです。

経路まわりのコマンドの使い分け
コマンド分かること使う場面
route print自分の端末がどのゲートウェイ・NICへ送るかVPN接続後・NICが2枚あるとき
tracert途中で通るルーターの並びどこで止まるかを知りたいとき
ping相手まで届いて戻れるかまず疎通を見るとき
arp -a同じネットワークの相手のMACゲートウェイまで届いているか

route printの見方|3つの区画を順に読む

route printの出力は、横線で区切られた3つの区画に分かれています。下はWindowsの日本語表示の例で、アドレスとNIC名は説明用の値です。

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インターフェイス一覧
 11...00 00 5e 00 53 0a ......Intel(R) Ethernet Connection
 18...00 00 5e 00 53 1b ......Intel(R) Wi-Fi 6 AX201
  1...........................Software Loopback Interface 1
===========================================================================

IPv4 ルート テーブル
===========================================================================
アクティブ ルート:
ネットワーク宛先        ネットマスク          ゲートウェイ       インターフェイス  メトリック
          0.0.0.0          0.0.0.0        192.0.2.1       192.0.2.10     25
          0.0.0.0          0.0.0.0     198.51.100.1    198.51.100.20     35
        10.20.0.0      255.255.0.0      192.0.2.254       192.0.2.10     26
        127.0.0.0        255.0.0.0            リンク上         127.0.0.1    331
        192.0.2.0    255.255.255.0            リンク上        192.0.2.10    281
       192.0.2.10  255.255.255.255            リンク上        192.0.2.10    281
===========================================================================
固定ルート:
  ネットワーク アドレス          ネットマスク  ゲートウェイ アドレス  メトリック
        10.20.0.0      255.255.0.0      192.0.2.254       1
===========================================================================
3つの区画の役割
区画中身見るポイント
インターフェイス一覧左の番号=インターフェイス番号、MAC、NICの名前route addの「if」に使う番号
アクティブ ルート今効いている経路の全部0.0.0.0の行と、自分で足した行
固定ルート再起動しても残るよう登録した経路「なし」なら -p で足した経路は無い

アクティブ ルートの各列

アクティブ ルートの列の意味
列意味例の読み方
ネットワーク宛先送り先の範囲(ネットワーク)10.20.0.0
ネットマスク範囲の広さ255.255.0.0=10.20.x.x 全部
ゲートウェイ次に渡す相手のIP192.0.2.254 のルーターへ渡す
インターフェイス送り出すNICのIP192.0.2.10(有線)から出す
メトリック経路のコスト。小さいほど優先同じ宛先が複数あるときに比べる

「0.0.0.0」と「リンク上」の行

ネットワーク宛先とネットマスクがどちらも0.0.0.0の行は、デフォルトルートです。ほかのどの行にも当てはまらない宛先は、この行のゲートウェイへ送られます。インターネット向けの通信は、ほぼここを通ります。

ゲートウェイが「リンク上」(英語表示ではOn-link)の行は、ゲートウェイを通さず直接届く範囲です。自分と同じネットワークの相手には、ARPで相手のMACを調べて直接送ります。

255.255.255.255のマスクを持つ行は、1つのIPだけを指すホストルートです。自分自身のアドレスやブロードキャストの行が自動で並ぶので、普段は気にしなくて大丈夫です。

どの経路が選ばれる?一番細かく一致する行が勝つ

宛先が複数の行に当てはまるときは、決まった順番で1行が選ばれます。ここを押さえると、route printの読み方が一気に分かります。

送り先の経路は2段階で1つに決まる

  • 宛先 10.20.5.1 へ送るとき(上の出力例)
  • 1宛先に当てはまる行を全部拾う0.0.0.0/0.0.0.0 の2行と、10.20.0.0/255.255.0.0 の1行が当てはまる
  • 2ネットマスクが一番長い(細かい)行を残す255.255.0.0 の行が勝つ。この段階ではメトリックを見ない
  • 3同じ細かさが複数なら、メトリックの小さい行インターネット向けなら 0.0.0.0 の2行のうち、25 の有線側が選ばれる

メトリックは「同じ細かさの行どうし」の比較にだけ使われる。

図:まず一番細かく一致する行、次にメトリックの小さい行

メトリックが小さくても、ネットマスクの短い行は負けます。デフォルトルートのメトリックをいくら下げても、10.20.0.0/16への通信は10.20.0.0の行を通ります。

実際に選ばれる経路を確かめる

目で追うのが不安なときは、Windowsに直接聞くのが確実です。PowerShellのFind-NetRouteは、宛先に対して使うローカルIPと経路を返してくれます。

Find-NetRoute -RemoteIPAddress 10.20.5.1

出力の DestinationPrefix と NextHop を見れば、どの行が選ばれたかが分かります。Linuxなら「ip route get 10.20.5.1」が同じ役目です(man ip-route)。

メトリックの数字はどこから来るのか

上の例で、有線のデフォルトルートが25、Wi-Fiが35になっていました。これはWindowsの自動メトリックが、リンク速度から値を決めた結果です。

Microsoftの資料によると、Windows 10以降では無線とそれ以外で別の表を使います。代表的な値を抜き出しました。

自動メトリックの値(Windows 10以降・抜粋)
リンク速度有線など無線LAN
2Gbps以上20(10Gbps未満)25
500Mbps以上2Gbps未満2530
200Mbps以上500Mbps未満2535
80Mbps以上150Mbps未満3545
20Mbps以上50Mbps未満4555

同じ1Gbpsでも、有線は25、無線は30です。有線とWi-Fiを同時につなぐと、普通は有線が優先されるのはこのためです。

route printのメトリック列は、経路そのものの値とインターフェイスの値を足した数字として表示されます。PowerShellのGet-NetRouteで見るRouteMetricと、Get-NetIPInterfaceで見るInterfaceMetricの合計に当たります。リンク上の行が281のように大きいのは、経路側の値(この例では256)が上乗せされているためです。

route addで経路を足す・消す

閉じたネットワークの機器へ届けたいときなど、手で経路を足す場面があります。追加・変更・削除は、管理者として開いたコマンドプロンプトで打ってください。

routeコマンドの主な書き方
やりたいこと書き方補足
経路を足すroute add 10.20.0.0 mask 255.255.0.0 192.0.2.254再起動で消える
再起動後も残すroute -p add 10.20.0.0 mask 255.255.0.0 192.0.2.254固定ルートに載る
NICを指定する…192.0.2.254 if 11番号はインターフェイス一覧の左端
メトリックを付ける…192.0.2.254 metric 51〜9999
ゲートウェイを変えるroute change 10.20.0.0 mask 255.255.0.0 192.0.2.253
消すroute delete 10.20.0.0「10.*」のようなワイルドカードも使える

maskを省くと、255.255.255.255(1つのIPだけ)として登録されます。ネットワークを丸ごと指定したつもりが1台分にしかなっていない、というミスがよくあるので注意してください。

宛先のホスト部に1が残っていると、ネットマスクが無効だという趣旨のエラーで登録できません(Microsoft Learnの注記)。10.20.5.0にmask 255.255.0.0を付けたような組み合わせです。宛先は10.20.0.0のように、マスクの範囲の先頭に直してから打ち直します。

2つのNICで通信が迷うときの読み方

route printが一番役に立つのは、NICが2枚以上あるときです。有線とWi-Fi、社内LANと検証用の閉じたLAN、VPNの仮想NICなどがこれに当たります。

NICが2枚のときによくある3つの形

  • 特定の宛先だけ届かない・遅い
    • 0.0.0.0の行が2本ある両方のNICにデフォルトゲートウェイがある。メトリックの小さい側だけが使われる
    • 閉じたLAN向けの行が無い閉じたLANの先の宛先が、デフォルトルートでインターネット側へ流れている
    • VPN接続で行が増えた・変わったVPNの仮想NIC側に0.0.0.0や社内向けの行が入り、経路が切り替わっている

図:0.0.0.0の本数と、目的の宛先の行があるかを先に見る

閉じたLANにはゲートウェイを入れず、経路を足す

インターネット側と閉じたLAN側の両方のNICにデフォルトゲートウェイを入れると、0.0.0.0の行が2本になります。Microsoftの資料も、つながっていない別々のネットワークにまたがってデフォルトゲートウェイを置くことは勧めていません。

  1. 閉じたLAN側のNICは、IPアドレスとサブネットマスクだけを設定し、デフォルトゲートウェイを空にする
  2. 閉じたLANの先にあるネットワークだけを、route -p add で閉じたLAN側のルーターへ向ける
  3. route printで確かめる。0.0.0.0の行が1本だけになり、足した行が固定ルートにも載っていれば完了

こうしておけば、インターネット向けは0.0.0.0の行で外へ、閉じたLAN向けは足した行で中へ、と迷わずに分かれます。

VPNの前後で比べる

VPNにつなぐと「インターネットが遅くなった」「社内の一部だけ見えない」と言われることがあります。VPN接続の前と後でroute printを取って、行の違いを比べるのが早道です。

0.0.0.0の行がVPN側に移っていれば、インターネット向けもVPNを通っています。社内のネットワークの行だけが増えているなら、その範囲だけをVPNへ流す設定(スプリットトンネル)です。どちらになるかはVPNの設定次第なので、社内の担当窓口に方針を確かめてください。

LinuxとCisco IOSの対応

同じ「経路表を見る」作業でも、OSや機器でコマンドが違います。

経路表を見るコマンドの対応
やりたいことWindowsLinuxCisco IOS
経路表を見るroute printip routeshow ip route
選ばれる経路を調べるFind-NetRouteip route get 宛先show ip route 宛先
経路を足すroute addip route addip route(設定モード)
再起動後も残すroute -p addディストリの設定ファイルwrite memory で保存

Linuxの「ip route」は、「default via 192.0.2.1 dev eth0」のように1行1経路の形です。defaultがWindowsの0.0.0.0の行に当たります。

よくある質問

route printでメトリックの値が大きいのは異常ですか?

異常ではありません。Windowsはリンク速度から自動でメトリックを決め、経路側の値と足した数字を表示します。リンク上の行が200台・300台になるのは普通の状態です。比べるのは同じ宛先・同じネットマスクの行どうしだけです。

route addした経路が再起動すると消えます

-pを付けずに足した経路は、TCP/IPが再起動されると消えます。route -p add で登録し直すと、固定ルートの区画に載り、再起動後も残ります。

route printに「固定ルート: なし」と出るのはなぜですか?

-pを付けて足した経路が1つも無い、という意味です。DHCPやNICの設定から自動で入った経路は、アクティブ ルートには並びますが固定ルートには載りません。

route addで「要求された操作には管理者特権が必要です」と出ます

経路の追加・変更・削除は管理者権限が要ります。コマンドプロンプトを右クリックして「管理者として実行」で開き直してから打ってください。表示(route print)だけなら通常の権限で打てます。

IPv6の経路表も見られますか?

route printを引数なしで打つと、IPv4のあとにIPv6のルート テーブルも続けて表示されます。IPv6だけを見たいときは「route print -6」です。PowerShellなら「Get-NetRoute -AddressFamily IPv6」でも確かめられます。

まとめ

  • route printは、Windowsのルーティングテーブルを表示するコマンド。表示だけなら管理者権限は不要
  • 出力はインターフェイス一覧・アクティブ ルート・固定ルートの3区画
  • 経路は「一番細かく一致する行」→「メトリックの小さい行」の順で決まる
  • メトリックはリンク速度から自動で決まり、有線は無線より小さくなりやすい
  • 2つのNICで迷うときは、0.0.0.0の行の本数と目的の宛先の行を先に見る

route printで「最初の一歩」が正しいと分かったら、次はその先の道のりです。tracertで途中のルーターを順に見ると、どこまで届いているかが分かります。

ルーティングを理解しているかどうかは、面接でもよく確かめられます。未経験からネットワークエンジニアを目指す人向けに、学習と転職の順番を5つの段階で整理した記事です。

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免責事項

※本記事はMicrosoft・シスコシステムズの公式ドキュメント、Linuxのマニュアルなどの公開情報をもとに整理したものです。コマンドの表示や既定値は、OSのバージョンや機器の設定によって変わる場合があります。業務で使う機器では、所属先の手順とベンダーの最新資料をあわせてご確認ください。


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この記事を書いた人

Tanabeです。新卒でSIerに入り、ネットワークの設計から構築、運用保守、クラウド移行まで10年やってきました。その間に転職を3回、CCNPも取りました。

正直に言うと、資格を取っても年収はすぐには上がりませんでした。1回目の転職は失敗、2回目でようやく150万円上がり、3回目で今の事業会社に落ち着いた。動いてみて分かったのは、資格の有無より「現場で何を任されてきたか」で評価が決まる、ということです。

エージェントの言葉を鵜呑みにして、危うく後悔しかけた経験もあります。だからこそ、自分がやらかした失敗をそのまま書いて、同じ回り道をしなくて済むように残しています。転職を考え始めた人が、条件で損をしないための材料にしてもらえたら嬉しいです。

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