サブネットマスクの計算は、「256−マスクの数字」で区切りの幅を出せば、2進数に直さずに解けます。192.168.10.75/26なら幅は64で、ネットワークは192.168.10.64、ブロードキャストは.127、使えるホストは62台です。
この記事でわかること
- ネットワークアドレス・ブロードキャストアドレス・使える範囲を出す手順
- 2進数を使わない「256から引く」近道と、/24〜/32の計算表
- 必要な台数からマスクを決める逆算
- 2台が同じネットワークかの判定と、/22のような区切りの計算
- /31・/32の扱いと、実機で答え合わせするコマンド
一次情報: RFC 950「Internet Standard Subnetting Procedure」(参照)/RFC 3021「Using 31-Bit Prefixes on IPv4 Point-to-Point Links」(参照)/RFC 4632「Classless Inter-domain Routing (CIDR)」(参照)※2026年10月時点
サブネットの計算は、基本情報技術者試験でも毎回のように出る範囲です。試験の合格率や科目A・科目Bの勉強法は、別の記事にまとめました。
サブネットマスクの計算で求めるもの
サブネットマスクの計算とは、IPアドレスのどこまでがネットワークの番号で、どこからが機器の番号かを割り出す作業です。IPv4のアドレスは32ビットで、マスクの1が並ぶ部分がネットワーク、0の部分がホスト(機器)を表します。
計算で出すのは、次の値です。
- ネットワークアドレス:そのネットワークの名前にあたる、先頭のアドレス
- ブロードキャストアドレス:全員あての、最後のアドレス
- 使える範囲:先頭と最後を除いた、機器に付けられるアドレス
- ホスト数:使える範囲に入るアドレスの数
/26のような書き方は「先頭から26ビットがネットワーク」という意味です。255.255.255.192と書いても中身は同じになります。
「256から引く」だけで範囲を出す手順
一番速いのは、区切りの幅(ブロックサイズ)を使う方法です。マスクの中で255でも0でもない数字を、256から引く。出た数が、ネットワークの区切りの幅になります。
- マスクの中で255でも0でもない数字を見つける(/26なら第4オクテットの192)
- 256からその数字を引く(256−192=64)。これが区切りの幅
- 0から幅ずつ数え、IPアドレスが入る区間を探す(0・64・128・192 のうち、75は64〜127)
- 区間の先頭がネットワーク、最後がブロードキャスト、間が使える範囲
| 項目 | 値 |
|---|---|
| サブネットマスク | 255.255.255.192 |
| 区切りの幅 | 64(256−192) |
| ネットワークアドレス | 192.168.10.64 |
| ブロードキャストアドレス | 192.168.10.127 |
| 使える範囲 | 192.168.10.65 〜 192.168.10.126 |
| ホスト数 | 62台(64−2) |
2進数で確かめるとこうなる
近道の答えは、2進数のAND(両方が1のところだけ1を残す計算)と一致します。75とマスクの192を並べると、次のとおりです。
75 = 0100 1011
192 = 1100 0000
AND = 0100 0000 → 64(ネットワークアドレスの第4オクテット)
ホスト部の6ビットを全部1にすると0111 1111で127、つまりブロードキャストです。試験では近道で解き、迷ったときだけ2進数で確かめると時間を取られません。
サブネットマスクの計算表(/24〜/32)
よく出るのは/24から/30です。マスクの数字は128・192・224・240・248・252・254・255と、上から1ビットずつ足した値に並びます。
| プレフィックス長 | サブネットマスク | 区切りの幅 | ホスト数 |
|---|---|---|---|
| /24 | 255.255.255.0 | 256 | 254 |
| /25 | 255.255.255.128 | 128 | 126 |
| /26 | 255.255.255.192 | 64 | 62 |
| /27 | 255.255.255.224 | 32 | 30 |
| /28 | 255.255.255.240 | 16 | 14 |
| /29 | 255.255.255.248 | 8 | 6 |
| /30 | 255.255.255.252 | 4 | 2 |
| /31 | 255.255.255.254 | 2 | 2(2点間をつなぐ線だけ) |
| /32 | 255.255.255.255 | 1 | 1(機器1台そのもの) |
ホスト数は「2のホスト部のビット数乗−2」で出ます。−2は、ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスの2つを除く分です。
/31と/32は特別な使い方をする
/31は、RFC 3021で決められた使い方です。ルーター同士を1本の線でつなぐときに限り、2つのアドレスをどちらも機器に付けます。/30だと4つのうち2つが余るため、アドレスを半分に節約できます。
/32は、機器1台だけを指すときの書き方です。ルーターのループバックや、特定の1台だけを許可するアクセスリストで見かけます。
必要な台数からマスクを決める逆算
設計の場面では、逆に「何台つなぐから、どのマスクにするか」を決めます。台数+2以上になる2の累乗を探すのが手順です。
| つなぎたい台数 | 必要なアドレス数 | 選ぶプレフィックス長 | ホスト数 |
|---|---|---|---|
| 25台 | 27以上 → 32 | /27 | 30 |
| 50台 | 52以上 → 64 | /26 | 62 |
| 120台 | 122以上 → 128 | /25 | 126 |
| 200台 | 202以上 → 256 | /24 | 254 |
| 500台 | 502以上 → 512 | /23 | 510 |
台数には、PCのほかにゲートウェイのルーター、プリンター、無線のアクセスポイントも入ります。現場では増設の分も見込み、ぎりぎりのマスクは選ばないのがふつうです。
2台が同じネットワークかを判定する
「pingが通らない」原因が、マスクの設定違いということはよくあります。2台のアドレスが同じ区間に入るかを計算すれば、ルーターを通らずに直接話せるかがわかります。
192.168.1.100 と 192.168.1.130 は同じネットワークか
- 区切りの幅
- 256。0〜255が1つの区間
- 2台の区間
- どちらも 0〜255 に入る
- 判定
- 同じネットワーク。直接通信できる
- 区切りの幅
- 128。0〜127 と 128〜255 に分かれる
- 2台の区間
- .100 は 0〜127、.130 は 128〜255
- 判定
- 別のネットワーク。ルーターが要る
図:同じアドレスでも、マスクが1ビット違うだけで別のネットワークになる
片方のPCだけマスクを/25にしていると、そのPCから見て相手は「別のネットワーク」になります。直接は送らず、ゲートウェイへ送ろうとするため、つながり方が片側だけおかしくなります。2台のマスクが揃っているかを、最初に確かめてください。
第3オクテットで区切れる場合(/17〜/23)
/23や/22のように、マスクの中で255でも0でもない数字が第3オクテットに来ることがあります。手順は同じで、幅を第3オクテットで数えるだけです。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| サブネットマスク | 255.255.252.0 |
| 区切りの幅 | 第3オクテットで4(256−252) |
| ネットワークアドレス | 172.16.12.0(13は12〜15の区間) |
| ブロードキャストアドレス | 172.16.15.255 |
| 使える範囲 | 172.16.12.1 〜 172.16.15.254 |
| ホスト数 | 1,022台(2の10乗−2) |
第3オクテットで区切れたときは、第4オクテットは先頭が0、最後が255になります。ここで第4オクテットまで幅で割ろうとして、取り違えるミスが多い部分です。
ワイルドカードマスクは「255から引く」
OSPFやアクセスリストの設定では、マスクを反対向きにしたワイルドカードマスクを使います。出し方は、各オクテットを255から引くだけ。
| サブネットマスク | ワイルドカードマスク |
|---|---|
| 255.255.255.0 | 0.0.0.255 |
| 255.255.255.192 | 0.0.0.63 |
| 255.255.252.0 | 0.0.3.255 |
計算の答え合わせをする実機のコマンド
計算した結果は、実機の表示で確かめられます。OSによってマスクの見せ方が違うので、そこだけ注意してください。
| 環境 | コマンド | マスクの表示 |
|---|---|---|
| Windows | ipconfig | 255.255.255.192 の形 |
| Linux | ip -4 addr | 192.168.10.75/26 の形 |
| Cisco IOS | show ip interface | Internet address is 192.168.10.75/26 |
| Linux | ipcalc 192.168.10.75/26 | ネットワーク・ブロードキャスト・範囲を一覧で表示 |
ipcalcは、計算をそのまま代わりにやってくれる道具です。ディストリビューションによって入っている版が違い、表示の項目名も変わります。
よくある質問
サブネットマスクの計算を2進数なしで解く方法は?
マスクの中で255でも0でもない数字を256から引き、出た幅で0から区切ります。IPアドレスが入る区間の先頭がネットワーク、最後がブロードキャストです。/24〜/30の幅(256・128・64・32・16・8・4)を覚えておくと、さらに速く解けます。
ホスト数の計算で2を引くのはなぜですか?
先頭のネットワークアドレスと、最後のブロードキャストアドレスは機器に付けられないためです。/26ならアドレスは64個あり、そこから2つ除いた62台が使えます。例外は/31で、2点間の線に限っては2つとも機器に付ける決まりです。
サブネット数を数えるときも2を引きますか?
古い教材には、サブネット数も「2の累乗−2」で数えるものがあります。これはRFC 950の頃に、全部0と全部1のサブネットを使わない決まりがあった名残です。今の機器はふつう全部のサブネットを使えるので、問題文の前提を先に確かめてください。
/24と255.255.255.0は同じ意味ですか?
同じ意味です。/24は「先頭から24ビットがネットワーク」という書き方で、24個の1を8ビットずつ区切ると255.255.255.0になります。Windowsは255の形、Linuxや経路表は/の形で表示することが多いです。
192.168.1.0/24の中で、サブネットを4つに分けるには?
4つに分けるには2ビット足して/26にします。幅は64になり、192.168.1.0・.64・.128・.192の4つです。それぞれ62台ずつ使えます。
まとめ
- マスクの中で255でも0でもない数字を256から引くと、区切りの幅が出る
- IPアドレスが入る区間の先頭がネットワーク、最後がブロードキャスト。ホスト数は幅−2
- 必要な台数からは、台数+2以上になる2の累乗を探してマスクを決める
- /22などは第3オクテットで幅を数える。第4オクテットは0〜255になる
- /31は2点間の線だけ、/32は機器1台だけを指す特別な使い方
計算に慣れたら、実際の経路表で/の数字を読んでみてください。どの経路が選ばれるかは「一番細かく一致する行」で決まり、ここでもマスクの計算がそのまま使えます。
サブネットの計算は、未経験からネットワークエンジニアを目指すときに最初につまずきやすいところです。資格の取り方から内定までの道筋を、5つの段階に分けて整理しました。
免責事項
※本記事はRFCなどの公開情報をもとに整理したものです。コマンドの表示や挙動は、OSや機器のバージョン・環境によって変わる場合があります。試験の出題形式は、各試験の実施団体の最新資料をあわせてご確認ください。

