ipconfigコマンドは、WindowsのIPアドレス・サブネットマスク・デフォルトゲートウェイを表示し、DHCPとDNSの設定を更新するコマンドです。/allで詳細、/releaseと/renewでアドレスの取り直し、/flushdnsでDNSキャッシュの消去ができます。169.254で始まるアドレスは、DHCPから取得できていない合図です。
この記事でわかること
- ipconfigのオプション一覧と、それぞれを使う場面
- オプションなしと/allの出力で見る項目
- 169.254で始まるアドレスなど、IPv4アドレスの値から状態を読む方法
- /release・/renewの手順と、リモート接続中に打ってはいけない理由
- /flushdnsが効く場面と、LinuxやCisco IOSで同じことをするコマンド
一次情報: Microsoft Learn「ipconfig」(参照)/Microsoft Learn「DNS クライアントの名前解決に関する問題のトラブルシューティング」(参照)/RFC 3927(参照)※2026年9月時点
ipconfigで出てくるサブネットマスクやゲートウェイの考え方は、CCNAの出題範囲の土台でもあります。受験料や勉強時間、2027年の改訂までまとめた記事はこちらです。
ipconfigコマンドとは?WindowsのIP設定を表示・更新するコマンド
ipconfigコマンドとは、Windowsのネットワーク設定を表示し、DHCPとDNSの設定を更新するコマンドです。Microsoftの資料では、オプションなしで実行すると、すべてのアダプターのIPv4とIPv6のアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイを表示すると説明されています。
使う場面は大きく2つに分かれます。今の設定を「見る」場面と、DHCPやDNSの状態を「更新する」場面です。見るだけなら、コマンドプロンプトやPowerShellを開いて打つだけで済みます。
| オプション | できること | 使う場面 |
|---|---|---|
| なし | IPアドレス・サブネットマスク・ゲートウェイを表示 | まず今のアドレスを確かめる |
| /all | すべてのアダプターの詳細(MAC・DHCP・DNSなど)を表示 | トラブルの調査 |
| /release | DHCPで取得したIPv4アドレスを返す | アドレスを取り直す前 |
| /renew | DHCPでIPv4アドレスを取り直す | 169.254が出た、別のネットワークに移った |
| /release6・/renew6 | IPv6で同じことをする | IPv6をDHCPv6で配っている環境 |
| /flushdns | DNSキャッシュを消す | DNSを切り替えたのに古い宛先へ行く |
| /displaydns | DNSキャッシュの中身を表示 | どの名前をどのIPで覚えているか見る |
| /registerdns | 自分の名前とIPをDNSへ登録し直す | 社内DNSに自分の名前が載っていない |
| /showclassid・/setclassid | DHCPクラスIDを表示・設定 | DHCPでクラス別に配り分けている環境 |
アダプター名は「”Wi-Fi”」のように指定でき、スペースを含む名前は引用符で囲みます。Microsoftの資料によれば、「Local*」のようなアスタリスクでの前方一致・部分一致も使えるそうです。
ipconfigの出力の見方|オプションなしで確かめる3項目
オプションなしの出力で見るのは、IPv4アドレス・サブネットマスク・デフォルトゲートウェイの3つです。下は日本語版Windowsの出力例で、アドレスは説明用の値にしています。
Windows IP 構成
イーサネット アダプター イーサネット:
接続固有の DNS サフィックス . . . . .: example.local
リンクローカル IPv6 アドレス. . . . .: fe80::1234:5678:9abc:def0%12
IPv4 アドレス . . . . . . . . . . . .: 192.168.10.23
サブネット マスク . . . . . . . . . .: 255.255.255.0
デフォルト ゲートウェイ . . . . . . .: 192.168.10.1
Wireless LAN adapter Wi-Fi:
メディアの状態. . . . . . . . . . . .: メディアは接続されていません
| 項目 | 意味 | 見るポイント |
|---|---|---|
| IPv4 アドレス | この端末に付いているアドレス | 想定しているネットワークの番号か |
| サブネット マスク | 同じネットワークとみなす範囲 | 255.255.255.0なら先頭3つが同じ相手と直接話す |
| デフォルト ゲートウェイ | 別のネットワークへ出るときの出口 | 空欄なら社外やほかの拠点へ出られない |
| メディアの状態 | ケーブルや無線がつながっているか | 「接続されていません」ならそのアダプターは使われていない |
最初に確かめたいのは、どのアダプターの行を見ているかです。ノートPCでは有線・無線・VPN・仮想化ソフトのアダプターが並ぶことがあり、使っていない行を読んで混乱しがちです。
IPv4アドレスの値から状態を読む
IPv4アドレスの値そのものが、トラブルの手がかりになります。特に「169.254」で始まるアドレスは覚えておいてください。
169.254.0.0/16は、IPv4のリンクローカルアドレスとしてRFC 3927で定められた範囲です。WindowsはDHCPサーバーから応答が無いとき、この範囲から自分でアドレスを付けます(自動プライベートIPアドレス指定、APIPA)。169.254が出たら、DHCPからアドレスをもらえていないと読んで構いません。
| 表示 | 状態 | 次に確かめること |
|---|---|---|
| 想定どおりのネットワーク | 設定は正常の可能性が高い | デフォルトゲートウェイへpingを打つ |
| 169.254.x.x | DHCPから取得できていない | ケーブル・無線の接続、DHCPサーバーまでの経路、/renew |
| 想定と違うネットワーク | 別のDHCPから配られた、VLANが違う | 接続先のポートやSSIDが正しいか |
| アドレスの行が無い | アダプターが無効、またはつながっていない | メディアの状態・アダプターの有効化 |
169.254で始まるアドレスが出たときの確かめ方
- 169.254.0.0/16はRFC 3927のリンクローカル範囲です。
- 1ケーブル・無線の接続を見るメディアの状態が「接続されていません」になっていないか
- 2ipconfig /renew で取り直す管理者として実行したコマンドプロンプトで打つ
- 3まだ169.254ならDHCPまで届いていないスイッチのポート・VLAN・DHCPサーバーまでの経路を疑う
- 4DHCPサーバー自体を確かめるアドレスの在庫切れや停止。ネットワークの管理者に確認する
図:169.254はDHCPから取得できていない合図。近いところから順に確かめる
ipconfig /allの見方|トラブル時に見る項目
/allを付けると、アダプターごとの詳細が出ます。項目が多いので、トラブルの種類ごとに見る場所を決めておくと速く読めます。
| 項目 | わかること | こんなときに見る |
|---|---|---|
| 物理アドレス | MACアドレス | スイッチのMACテーブルと突き合わせるとき |
| DHCP 有効 | DHCPで取得しているか、手で設定したか | アドレスが勝手に変わる・変わらない |
| IPv4 アドレス(優先) | 使っているアドレス | 「優先」以外の表示なら重複などの問題を疑う |
| リース取得・リースの有効期限 | DHCPからいつ借り、いつまで使えるか | 夜間だけ通信が切れる |
| DHCP サーバー | どのDHCPサーバーから借りたか | 想定外のアドレスが配られた |
| DNS サーバー | 問い合わせ先のDNS | 名前解決だけ失敗する |
| 既定のゲートウェイ | 外への出口 | 社外にだけ出られない |
「DHCP サーバー」は、想定外のアドレスが配られたときに真っ先に見る項目です。社内で決めたDHCPサーバー以外のアドレスが出ていたら、誰かがつないだ家庭用ルーターが配っている、といった原因が考えられます。
ipconfig /all はトラブルの種類で見る項目を決める
- ipconfig /all
- 想定外のアドレスが配られたDHCP サーバー・DHCP 有効・リース取得
- 名前解決だけ失敗するDNS サーバー(1つ目が止まっていないか)
- 社外にだけ出られない既定のゲートウェイ(空欄・違うネットワークでないか)
- どの機器につながっているか物理アドレス(スイッチのMACテーブルと突き合わせる)
図:/allの項目は多いので、症状ごとに見る場所を決めておくと速く読める
「DNS サーバー」は複数並ぶことがあります。Microsoftのトラブルシューティング資料によると、nslookupは構成されたプライマリDNSサーバーにしか問い合わせません。1つ目のDNSサーバーが止まっていると、nslookupだけ失敗し続けることがあります。ここで並び順を確かめておけば、切り分けが早くなるはずです。
/releaseと/renewでIPアドレスを取り直す
169.254が出たときや、別のネットワークにつなぎ替えたのに古いアドレスのままのときは、DHCPからアドレスを取り直します。
ipconfig /release
ipconfig /renew
ipconfig /renew "Wi-Fi"
/releaseで今のアドレスをDHCPサーバーに返し、/renewで新しく借り直す流れです。アダプター名を付ければ、そのアダプターだけが対象になります。権限が足りずに失敗することがあるので、コマンドプロンプトは「管理者として実行」で開いておくと確実です。
/releaseを打つ前に確かめること
- リモートデスクトップやSSHでつないでいないか。/releaseの時点で接続が切れ、/renewを打つ手段がなくなる
- 固定IPの端末でないか。/release・/renewはDHCPで取得するアダプターにしか効かない
- 複数のアダプターがある端末では名前を付ける。付けないと全アダプターが対象になり、VPNまで切れることがある
いちばん多い失敗は、離れた場所のPCやサーバーにリモートでつないだまま/releaseを打つことです。アドレスを返した瞬間に通信が切れ、現地に行くまで戻せなくなります。どうしても遠隔で取り直すなら、「ipconfig /release && ipconfig /renew」のように1行でつなげて打つ方法があります。それでも失敗すれば戻れないので、現地の人に頼める状況で行ってください。
/renewの後に169.254のままなら、DHCPサーバーまで届いていません。ケーブル・無線の接続、スイッチのポート、DHCPサーバー自体の状態へと調べる範囲を広げます。
/flushdnsと/displaydnsでDNSキャッシュを扱う
Webサーバーの引っ越しなどでDNSの登録を変えたのに、自分のPCだけ古いサーバーへつながる。そんなときに使うのが/flushdnsです。
ipconfig /displaydns
ipconfig /flushdns
Windowsは、一度引いた名前とIPの組をDNSクライアントのキャッシュに覚えておく仕組みです。Microsoftの資料によると、/displaydnsで見える中身には、hostsファイルから読み込んだ項目と、最近の問い合わせで得た結果の両方が入ります。/flushdnsはこのキャッシュを消すコマンドで、「見つからなかった」という結果の記憶も一緒に捨てられます。
名前を引く順番は、Microsoftのトラブルシューティング資料に次のように書かれています。
- キャッシュを見る。/flushdnsで消せるのはここ
- hostsファイルを見る。C:\Windows\System32\drivers\etc にある
- DNSサーバーへ問い合わせる。/allの「DNS サーバー」に出ている相手
hostsファイルに書いた項目は、/flushdnsをしても消えません。キャッシュを消しても古い宛先へ行くなら、hostsファイルに古い行が残っていないかを確かめます。
ipconfig /flushdns で消えるもの・消えないもの
- 対象
- DNSクライアントのキャッシュ
- 中身
- 最近の問い合わせで得た名前とIPの組
- もう1つ
- 「見つからなかった」という結果の記憶
- hostsファイル
- 書いた行はキャッシュに読み直される
- DNSサーバー側
- サーバーが古い値を返していれば古いまま
- 確かめ方
- hostsの中身と、nslookupで返る値を見る
図:/flushdnsで消えるのはPCのキャッシュだけ。hostsの行とDNSサーバー側の情報は残る
LinuxとCisco IOSで同じことをするコマンド
WindowsとLinux、ネットワーク機器を行き来する現場では、同じ目的のコマンドを対応づけて覚えておくと迷いません。PowerShellにも、同じ情報を取れるコマンドレットがあります。
| やりたいこと | Windows | PowerShell | Linux | Cisco IOS |
|---|---|---|---|---|
| IPアドレスを見る | ipconfig | Get-NetIPConfiguration | ip address show | show ip interface brief |
| 詳細まで見る | ipconfig /all | Get-NetIPConfiguration -Detailed | ip address show と resolvectl status | show interfaces |
| DNSキャッシュを消す | ipconfig /flushdns | Clear-DnsClientCache | resolvectl flush-caches | ─ |
| アドレスを取り直す | /release と /renew | ─ | ディストリビューションで異なる | ─ |
Linuxの「resolvectl」は、systemd-resolvedを使っている環境のコマンドです。manページでは、flush-cachesでローカルに持つDNSのキャッシュを消せると説明されています。Cisco IOSの「show ip interface brief」は、全インターフェースのIPアドレスと状態を1行ずつ並べる確認用コマンドです。
Get-NetIPConfigurationは、-Detailedを付けるとMACアドレス・MTU・DHCPの状態まで表示します。スクリプトで値を取り出したいときは、文字の表を返すipconfigより扱いやすい選択肢です。
よくある質問
「’ipconfig’ は、内部コマンドまたは外部コマンド…として認識されていません」と出ます
ipconfig.exeが置かれている C:\Windows\System32 が、環境変数PATHから外れている可能性があります。システムの環境変数PATHにこのフォルダーが含まれているかを確かめてください。つづりの打ち間違いでも同じメッセージが出ます。
ipconfigでインターネット側のIPアドレス(グローバルIP)はわかりますか?
わかりません。ipconfigが表示するのは、そのPCのアダプターに付いているアドレスです。家庭や会社のルーターの内側にいる場合、インターネットから見えるアドレスはルーター側のもので、PCの表示とは違います。
169.254で始まるアドレスが出たらどうすればいいですか?
DHCPからアドレスをもらえていない状態です。まずケーブルや無線の接続を確かめ、ipconfig /renewで取り直します。それでも169.254のままなら、DHCPサーバーまでの経路かDHCPサーバー自体に原因があるので、ネットワークの管理者に確認してください。
ipconfig /flushdnsをしても直らないのはなぜですか?
hostsファイルに古い行が残っているか、問い合わせ先のDNSサーバー側がまだ古い情報を返している可能性があります。hostsファイルの中身と、nslookupでDNSサーバーが返す値を確かめると、どちらが原因かを切り分けられます。
IPv6のアドレスがいくつも表示されるのは異常ですか?
異常ではありません。fe80で始まるリンクローカルアドレスは、IPv6が有効なアダプターには通常付いています。これとは別に、インターネット接続用のアドレスや一時アドレスが並ぶことがあり、1つのアダプターに複数のIPv6アドレスが付くのは普通の状態です。
まとめ
- ipconfigは、WindowsのIP設定を表示し、DHCPとDNSの設定を更新するコマンド
- まず見るのは、使っているアダプターのIPv4アドレス・サブネットマスク・ゲートウェイ
- 169.254で始まるアドレスは、DHCPから取得できていない合図
- リモート接続中に/releaseを打たない。打つなら/renewと1行でつなげる
- /flushdnsで消えるのはキャッシュだけ。hostsファイルの行は残る
ipconfigで自分の設定が確かめられたら、次はゲートウェイや外部へpingを打ち、どこまで届くかを見る流れになります。
ipconfigやpingを打って原因を探せるようになると、ネットワークエンジニアの入口に立っています。未経験からCCNAを取り、内定まで進む道のりを5つの段階で整理した記事です。
免責事項
※本記事はMicrosoft・シスコシステムズの公式ドキュメント、Linuxのマニュアル、RFCなどの公開情報をもとに整理したものです。コマンドの表示や既定値は、OSのバージョンや機器の設定によって変わる場合があります。業務で使う機器では、所属先の手順とベンダーの最新資料をあわせてご確認ください。

