田辺です。SIer系のSES現場でネットワーク構築・運用を10年、その間に転職を3回経験し、SES 2次請け(年収350万)→SIerプライム(年収430万)→事業会社の自社開発NW部門(年収520万)→現在はIT転職コーチを兼業しながら年収600万、というルートをたどってきました。本記事は、いま「SESを抜け出したい」と検索しているNWエンジニアに向けて、田辺が3回の転職で実際に踏んだステップと、コーチング相談で見てきた40名以上の脱出事例・失敗事例から、再現性のある脱出ロードマップを整理したものです。なお、田辺の主な利用先であるTechGoなどのIT特化エージェントは、SES比率や案件構成までヒアリングして比較できるため、SES脱出の最初の1社として相談ベースで使うと意思決定が早まります【PR】。
この記事の要点: – SES脱出を判断する3つのシグナル=「監視固定3年」「単価上昇が給与に反映されない」「設計工程が3年触れていない」のいずれかが当てはまる時点で動き出すべき – 田辺の実数: SES→SIer→自社開発の3回転職で年収350万→430万→520万→600万(合計+250万円)。1回目は「同業他社SES」に移動して失敗 – SES脱出ルートは4つ(SIerプライム・事業会社の自社開発NW・メガベンチャー・フリーランス)。難易度・年収レンジ・必要スキルが大きく違う – 6ヶ月で動く現実的なロードマップ(市場価値棚卸し2週→不足スキル補強3ヶ月→エージェント登録→求人選定→面接対策→退職交渉) – 田辺が見た失敗3パターン: 「SES→別SES」「自社開発に絞りすぎて選択肢消失」「退職交渉で止められて1年延期」
SESを抜け出すべきかを判断する3つのシグナル
「SES=悪」ではありません。20代前半の経験浅い時期に幅広い現場を経験する手段としてSESは合理的で、田辺自身も新卒で入った会社はSESベースの動き方でした。ただし、ある時点を過ぎるとSESに居続けること自体がキャリアと年収にマイナスを与え始めます。田辺がコーチングで「もう抜け出した方がいい」と判断する基準は次の3つです。1つでも明確に当てはまれば、転職活動の準備に入るタイミングです。
シグナル1:監視オペレーターまたは運用保守で3年以上経過している
NWのSES案件は、24時間監視・障害一次切り分け・運用保守といった「動かし続ける側」の業務が圧倒的多数で、構築・設計の工程まで触れる案件は限られます。20代前半で監視→運用保守を1〜2年経験するのは技術理解の土台になりますが、3年以上同じレイヤーに留まると次の転職で「設計経験ゼロ」のラベルが付き、提示年収が伸びなくなります。
田辺がコーチングしたDさん(29歳・SES 4年目・運用保守継続)は、転職活動を始めて2社目のエージェント面談で「3年目以降は設計補助でも構築でも何か追加してほしかった」と直接フィードバックを受けました。最終的にDさんは脱出に成功しましたが、提示額は同年代の構築経験者より約60万円低い水準でした。
経済産業省「IT人材需給に関する調査」によれば、2030年時点でのIT人材不足は最大約79万人と推計されており、市場全体は売り手市場が続きます。ただし「監視オペレーターの需要」と「設計エンジニアの需要」では年収レンジが200万円以上違うため、市場全体の追い風があっても自分の立ち位置で受け取れる果実は変わります。
シグナル2:客先単価が上がっても自分の給与には反映されていない
SESの構造上、客先請求単価(俗にいう「単価」)が上がってもエンジニア本人の給与に反映される割合は限定的です。田辺がSES時代に見てきた範囲では、客先単価が月60万→月75万に上がっても、エンジニア本人の月給は3,000〜10,000円しか上がらない、というケースが珍しくありませんでした。
これは「営業利益確保」「中間マージン」「資本コスト負担」など企業側の事情があるため不正でも何でもないのですが、エンジニア視点で見ると「スキルが上がっても自分の取り分が上がらない」状態が続くことになります。年に1度の昇給で実感がない・スキル獲得との連動が見えない、と感じるならシグナルです。
シグナル3:3〜5年後の自分のキャリアパスが社内で見えない
「この会社で5年経ったら、いまの○○さんみたいになる」というモデルケースが社内に複数いるかどうか。これは田辺が前職SESを抜け出す決断をした最大の理由でした。当時、社内のNW部門で「設計工程を専門にやっている40代以上」がほとんど存在せず、ベテランは管理職か営業に転換していて、技術深耕ルートが先細りに見えました。
逆に、社内に「自分が目指したい技術職像」が複数存在し、その人たちの待遇・働き方を確認できるなら、SES所属でも残る選択肢はあります。これは規模・業種より「技術職としてのキャリア導線が会社設計に組み込まれているか」が重要で、SES企業でも一部はこの設計を持っています。
田辺がSESを抜け出した時の実数(年収350万→600万・3回転職の中身)
抽象論より具体数字の方が判断材料になるので、田辺の3回転職の中身を時系列で書きます。田辺が「SES→SIer→自社開発→兼業コーチ」というルートをたどった理由は、各段階で何が足りなかったか・何を補強したかで脱出経路が決まったためです。
1回目転職:SES2次請け(350万)→SES1次請け(370万・失敗)
田辺の1回目転職は、結論から書くと失敗でした。SES2次請けで4年経過して年収350万に頭打ちを感じ、転職エージェント(総合大手1社のみ)に登録。提示された求人の中で「年収提示が最も高い」企業を選びましたが、入社後判明したのはその企業も同じSES2次〜3次請け構造で、案件アサインの仕組みもほぼ同じだったということでした。
提示額370万・実勤務地は前職と同じ大手キャリア系の運用センター。1年経っても担当業務は監視オペレーター固定で、転職前と何も変わっていない状況でした。1回目で田辺が学んだのは「SES→SESの横スライドでは抜け出せない」という当たり前のことです。エージェントに依存しすぎて、企業構造(プライム比率・案件構成・社員のキャリアパス)の調査を怠ったのが敗因でした。
2回目転職:SES1次請け(370万)→SIerプライムベンダー(430万)
1回目の反省を踏まえ、2回目はIT特化型エージェントを2社併用(総合型は1社のみ補助)し、求人選定段階で「プライムベンダーかどうか」を最優先で確認しました。プライムベンダー=エンドクライアントから直接受注する立場のSIerで、設計工程・要件定義工程にアクセスできる可能性が高いポジションです。
田辺は8社受けて3社内定、最終的に中堅SIerプライム(金融系顧客中心)に430万で入社。ここで初めて「設計補助」「上流工程の打合せ参加」を経験し、CCNPの学習も並行で進めました(入社2年目で取得)。
3回目転職:SIerプライム(500万)→事業会社の自社開発NW部門(520万)
3回目は「設計経験+CCNP保有+クラウド学習中」の状態で、事業会社の自社開発NW部門に転職しました。事業会社の自社NWは社内インフラの設計・運用を内製で担う部門で、ベンダー対応する側ではなく「発注して使う側」に立場が変わります。提示額520万、賞与込みで実年収580万。
事業会社に入って一番変わったのは「年収が上がっても忙しさが上がらなかった」点でした。SES時代は単価アップ=勤務地・案件のハードさ増加とほぼ連動していましたが、事業会社では同じ業務量でも所属企業の利益率が高いため、年収レンジそのものが違う設計でした。
兼業コーチ(520万→600万)
3回目の転職から2年後、兼業でIT転職コーチを始め、現職給与+副業収入で年収600万に到達。これは厳密にはSES脱出ロードマップの延長ですが、「SES→脱出後にスキルを資産化する」という意味で参考にしてください。
田辺の3回転職データまとめ
| 段階 | 所属 | 年収 | 主な業務 | 経過年数 |
|---|---|---|---|---|
| 新卒〜4年目 | SES 2次請け | 290→350万 | 監視→運用保守 | 4年 |
| 5年目〜6年目 | SES 1次請け(1回目転職・失敗) | 370万 | 監視オペレーター固定 | 1年 |
| 7〜9年目 | SIerプライム(2回目転職) | 430→500万 | 設計補助・構築・CCNP取得 | 3年 |
| 10〜12年目 | 事業会社 自社開発NW(3回目転職) | 520万→580万(賞与込) | 内製設計・クラウド移行 | 2年 |
| 12年目〜現在 | 事業会社+兼業コーチ | 600万 | 設計+兼業 | 進行中 |
合計+250万円の年収増、所要期間は12年。「3回転職して+250万」は派手な数字ではありませんが、SES監視固定のまま12年継続したケース(コーチング事例で2件確認しており、いずれも年収380〜420万円帯)と比べると、約150〜200万円差が出ています。
SES脱出の4ルート(行き先と難易度の比較)
SESから抜け出すといっても行き先は1つではありません。田辺がコーチング相談で整理する選択肢は次の4つで、求められるスキル・年収レンジ・採用難易度が大きく違います。
ルート1:SIerプライムベンダー
エンドクライアントから直接受注する大手・中堅SIerです。NTTデータ・伊藤忠テクノソリューションズ・SCSK・TIS等の大手と、業界特化型の中堅プライム企業が含まれます。年収レンジは400〜700万、設計工程・要件定義工程の経験が積めます。
採用ハードルは中〜高。CCNA以上+設計補助以上の経験があれば射程圏内、CCNPあるとさらに有利。田辺の2回目転職先がこのルートでした。
ルート2:事業会社の自社開発NW部門・情シス
事業会社(金融・通信キャリア・大手メーカー・SaaS企業等)の社内NW・情報システム部門です。社内インフラの設計・運用を内製で担う立場で、ベンダーに発注する側に回ります。年収レンジは500〜800万、ワークライフバランスが改善するケースが多い。
採用ハードルは高。CCNP相当+クラウド経験(AWS SAA等)+3年以上の設計経験が一般的な要件。田辺の3回目転職先がこのルートでした。コーチング事例で最も人気が高いルートですが、求人母数が少なく難易度も高いため、エージェント経由でも長期戦になります。
ルート3:メガベンチャー・SaaS系IT企業
DeNA・サイバーエージェント・LINEヤフー・freee・SmartHR等のメガベンチャー・上場SaaS企業のインフラ・SREポジションです。年収レンジは500〜900万、技術スタックは最新(クラウドネイティブ・Kubernetes・Terraform等)。
採用ハードルは最も高い。CCNPだけでは厳しく、AWS/GCPの実務経験+IaC(Infrastructure as Code)の経験+GitHub等で公開された個人プロジェクトが事実上必要。田辺のコーチング事例ではこのルートは35歳以下・3年以上のクラウド実務経験者に限定して薦めています。
ルート4:フリーランス・業務委託
法人化または個人事業主として、月額単価ベースで業務委託契約を結ぶルート。月単価60〜120万円(手取りベース)、年収換算で700〜1,300万円。NW構築・運用を専業でやるならエージェント経由(レバテックフリーランス・ITプロパートナーズ等)が現実的です。
採用ハードルは技術面ではミドル、運用面(営業・税務・案件継続性)でハイ。田辺は副業ベースでこのルートを経験中ですが、本業として独立するなら最低5年以上の実務・直近2年でクラウドまたは設計経験ありが目安です。
4ルート比較表
| ルート | 年収レンジ | 必要経験年数 | 必要スキル | 田辺の推奨度(10年経験者向け) |
|---|---|---|---|---|
| SIerプライム | 400〜700万 | 3年以上 | CCNA+設計補助経験 | ◎(最も現実的・求人母数大) |
| 事業会社 自社開発NW | 500〜800万 | 5年以上 | CCNP+クラウド+設計3年以上 | ○(人気高・求人母数少) |
| メガベンチャー | 500〜900万 | 5年以上 | クラウド実務+IaC+個人プロジェクト | △(最新技術キャッチアップ必要) |
| フリーランス | 700〜1,300万 | 5年以上 | 設計または運用自動化の実務 | △(運用負荷あり・税務知識必要) |
SES脱出に必要なスキル要件(4ルート共通の最低ライン)
田辺がコーチング相談で「まずこれを揃えてから動こう」と整理する最低要件は4つです。SES→SES横スライド以外を狙うなら、このうち3つ以上を満たしてから動くのが安全圏です。
要件1:CCNP相当の技術スキル(または同等の証拠)
CCNAは「持っている前提」、CCNPで「設計・構築工程を任せられる候補」と見られます。CCNP未取得でも、AWS SAA/SAP・LinuC 2級・LPIC-2 のいずれかで代替できる場合がありますが、NW専業で動くなら CCNP が最も汎用性が高い。学習期間は CCNA 取得後で約6〜9ヶ月(300〜400時間)。
CCNPの詳細な学習ルートと費用は、過去記事のCCNP難易度と勉強法記事で整理しています。
要件2:設計工程または構築工程の実務経験(1年以上)
田辺がコーチング相談で最初に必ず確認するのが「設計補助 or 構築の経験があるか」です。SESの監視・運用保守だけで年数を積んでも、書類選考通過率が大きく変わります。
設計工程ゼロの場合の補強策は3つ:
- 現職で設計補助案件への異動希望を出す(半年〜1年で実現する可能性あり)
- 個人プロジェクトで自宅にラボ環境を作り、設計→構築→運用ドキュメントを GitHub に公開
- 会社の研修・社内勉強会で設計演習を主導する(社外向けの「実績」にはならないが、面接で語れる)
要件3:クラウド経験(AWS / Azure / GCP のいずれか)
事業会社・メガベンチャールートを狙うなら必須に近い要件です。最低限 AWS Certified Solutions Architect Associate(SAA)取得+ハンズオンで個人環境構築の経験。SAA の学習時間は約100〜150時間、受験料 15,000円。
SES現場で扱える機会がない場合は、自己負担で AWS アカウント(月数千円範囲)を作って勉強する以外に経路がありません。田辺は SIer 在籍時に月3,000〜5,000円の AWS 利用料を自費負担しながら学習しました。
要件4:言語化された業務実績(職務経歴書ベース)
「監視・障害対応・運用保守」だけの職務経歴書は転職市場で差別化されません。同じ業務でも。
- 障害一次切り分けの平均対応時間(例: 平均15分以内・件数月60件超)
- 担当案件の規模(拠点数・利用ユーザー数・帯域)
- 改善提案実績(手順書整備・自動化スクリプト・運用効率化)
を数字付きで書けるかで書類選考通過率が変わります。田辺のコーチング事例で、職務経歴書の数字化(要点5項目)を3週間で進めた人は、書類選考通過率が約20%→約45%に上がりました。
SES脱出転職の6ヶ月ロードマップ(田辺推奨の標準ルート)
ここから具体的なロードマップです。総所要期間は6ヶ月を目安にしてください。「いますぐ動きたい」気持ちはわかりますが、要件未充足のまま動くと1回目転職の田辺と同じ失敗(SES→SES横スライド)になります。
Step1:市場価値の棚卸し(2週間)
最初にやるのは現状把握です。次の3点を文章化します。
- 直近3年の業務内容を半年単位で書き出す(監視何件・障害対応何件・設計補助何件・運用改善何件)
- 保有資格と取得年月(CCNA 取得が2年以上前なら更新も検討)
- 直近1年の評価(評価面談で言われたこと・昇給額・昇格有無)
ここで埋まらない欄が多い場合、Step2 で補強する優先順位を決めます。
Step2:不足スキルの補強(3ヶ月)
Step1 の棚卸しで足りない要件を、以下の優先順位で補強します。同時並行は避けて1つずつ進めるのが鉄則です。
| 不足項目 | 補強アクション | 期間目安 | 費用目安 |
|---|---|---|---|
| 設計工程経験 | 現職で設計補助案件への異動希望、または自宅ラボ構築 | 3〜6ヶ月 | 0〜3万円 |
| CCNP未取得 | CCNP(ENCOR / ENARSI)取得 | 6〜9ヶ月 | 10〜15万円 |
| クラウド経験 | AWS SAA取得+個人環境構築 | 2〜3ヶ月 | 3〜5万円 |
| 職務経歴書の数字化 | 業務日報を遡って数字を集計、職務経歴書に反映 | 3週間 | 0円 |
CCNPは時間がかかるため、本格的に脱出を決めたタイミングで「動きながらでも進める」スタンスでOK。クラウドと職務経歴書の数字化は先に終わらせてからエージェント登録に進む方が、面談時の精度が上がります。
Step3:転職エージェント登録(IT特化型2社+総合型1社)
エージェント登録は最低3社、可能なら5社まで増やして比較してください。田辺の推奨組み合わせは次の通り。
| エージェント種別 | 田辺の推奨用途 | 1社目の例 |
|---|---|---|
| IT特化型(メイン) | 求人精度・年収交渉・案件構造の精査 | TechGo・レバテックキャリア |
| IT特化型(サブ) | 別軸の求人母数確保・別担当の意見聴取 | geekly・マイナビIT AGENT |
| 総合型大手 | 求人母数・他業界比較 | doda・リクルートエージェント |
IT特化型を必ず2社入れる理由は、担当者の質の差が大きいためです。1社目の担当者がいまいちでも、2社目で当たることがあります。田辺は2回目転職時にこのパターンに当たりました。
各エージェントの詳細比較はIT転職エージェント比較記事でまとめているので、商標ベースで判断する場合はそちらを併読してください。
Step4:求人選定(最重要・SES比率と案件構成を必ず確認)
田辺の1回目転職失敗の最大の原因は、求人選定段階で「企業構造」を確認しなかったことです。応募前に必ずエージェント担当者にヒアリングする項目を以下に整理します。
ヒアリング項目(応募前に必ず確認)
- SES比率(自社開発比率):求人企業のSES案件売上比率は何%か。50%以上ならSES主体企業、20%以下なら自社開発主体
- プライム比率:SES案件のうちプライム(直請け)比率は何%か。70%以上なら設計工程参画余地あり
- 求人ポジションの想定アサイン先:内定後の想定アサイン先(具体的に何の案件か)
- 過去3年の同ポジション採用者の現状:3年前に同じポジションで採用された人が今どこにいるか
- 資格手当・教育研修制度:CCNP・AWS取得補助の有無と金額
この5項目を即答できる担当者は信頼度が高く、ぼかす担当者は要注意です。田辺は2回目転職時にこの5項目で4社の担当者を比較し、最も詳細に答えた担当者の紹介企業から最終的に内定を獲得しました。
Step5:面接対策(過去案件の数字化と転職理由の言語化)
面接で必ず聞かれるのが「なぜSESを抜け出したいのか(転職理由)」と「過去案件で何ができるようになったか(実績)」の2点です。
転職理由の答え方(NG/OK例)
- NG:「SES特有の案件ガチャに疲れた」「単価が上がっても給与に反映されない」(不満ベース・第三者帰責)
- OK:「設計工程に継続して関わるキャリアを作りたく、所属企業の事業構造を変える必要があると判断した」(前向き・自分主語)
不満ベースで語ると面接官は「うちでも同じ不満を持って辞めるのでは」と判断します。同じ内容を「構造的に何が変わると自分のキャリアが進むか」のロジックに変換してください。
実績の答え方
- NG:「監視業務を3年やってきました」(業務名のみ)
- OK:「拠点数50・利用ユーザー2万人規模のキャリア網運用監視を3年担当し、障害一次切り分けの平均対応時間を10分から5分に短縮した」(規模と数字付き)
数字を出せない場合は、Step1 の棚卸しに戻って業務日報を遡る必要があります。
Step6:内定獲得→退職交渉(1ヶ月)
内定が出たら、最初の1社で即決せず2〜3社の内定を並行で揃えるのが理想ですが、現実には1社内定の段階で1〜2週間の承諾期限が来ます。田辺の推奨は次の順序。
- 1社目内定が出た時点で、第2志望以下の選考スピードを上げる(エージェントに伝えて面接日程を前倒し)
- 承諾期限延長の交渉(1週間延長は普通に通る)
- 承諾後の退職交渉は2週間以内に上司に伝達(民法上は2週間前通告で退職可、就業規則では1〜2ヶ月前が一般的)
退職交渉で「引き止め」に遭うことは多いです。田辺の3回目転職時も、現職上司から「年収上げる・案件変える」のカウンターオファーが出ましたが、転職先の事業構造そのものが違うため受けませんでした。引き止めで応じると、次の脱出機会がさらに先送りになるケースが多いです。
SES脱出転職の最大のCTA:IT特化型エージェントを最初に押さえる
ここまでのロードマップを実行する上で、Step3 のエージェント選びが最も再現性の差が出る段階です。総合型大手1社だけで動いた田辺の1回目転職は失敗、IT特化2社を併用した2回目以降は成功、というのは構造的な差です。
IT特化型エージェントは、求人企業のSES比率・プライム比率・案件構成まで踏み込んだ情報を持っているため、求人選定段階での精度が総合型より明らかに高い。田辺が現在も継続して情報源として使っているTechGoのようなIT特化型は、面談時に「いまの市場で同年代のNW経験者がどのレンジで動いているか」をデータで返してくれるため、自分の市場価値を測る最初の1社として有効です。
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SES脱出転職でよくある失敗3パターン
田辺がコーチング相談で見てきた失敗パターンを3つ整理します。脱出に成功した人と失敗した人の差は、転職活動の精度というより「事前準備の精度」と「求人選定の精度」にあります。
失敗1:「SES→別SES」横スライドで何も変わらない(田辺の1回目失敗パターン)
最も多い失敗パターンです。年収提示が高い求人にすぐ飛びついた結果、企業構造は同じSESで、入社後に担当する案件もほぼ同じ、というケース。田辺の1回目転職がこれでした。
回避策は Step4 で書いた5項目ヒアリング(SES比率・プライム比率・想定アサイン先・過去採用者の現状・資格手当)を必ず実行することです。エージェント担当者が即答できない場合、応募保留にして担当者に調査を依頼するか、別エージェントに同じ求人で確認させてください。
失敗2:自社開発に絞りすぎて選択肢が消える
逆方向の失敗パターンです。「SESを抜け出すなら絶対に自社開発(事業会社)」と決めて応募範囲を絞った結果、応募できる求人が3〜5社しかなく、全社書類選考で落ちて転職活動が止まる、というケース。
事業会社の自社開発NW部門は求人母数が極めて少なく、書類選考通過率も10〜25%程度です。最初からそこに絞らず、SIerプライム(求人母数大・書類通過率40〜60%)も並行で受けて、最終的に内定が出た中で選ぶ方が成功確率が上がります。
失敗3:退職交渉で現職に止められて1年延期
内定後の退職交渉で、現職上司から「年収アップ」「案件変更」「役職昇格」のカウンターオファーが出て、応じてしまうケース。田辺のコーチング事例で2件確認していますが、いずれも1年後に同じ理由で再度転職活動を始めることになりました。
カウンターオファーで応じると、現職側からは「辞める意思を1回見せた人」というラベルが残り、評価面でマイナスに作用するケースもあります。退職を決めた時点で内定先以外の選択肢は閉じる、というスタンスで臨んでください。
SES脱出のタイミング:年齢別・経験年数別の判断軸
「いま動くべきか、もう少し経験を積んでからか」は田辺がコーチングで最もよく聞かれる質問です。年齢と経験年数で目安を整理します。
20代前半(22〜25歳・経験1〜3年)
まだ抜け出す必要は薄い。SES現場の幅広い経験は土台になります。ただし2年経過時点でCCNA未取得・設計補助経験ゼロなら、社内で異動希望を出すか転職活動の準備を始めてください。
20代後半(26〜29歳・経験4〜7年)
抜け出すのに最適なタイミング。CCNAは必須、CCNP取得中・設計補助経験1年以上を目安に動き出すと、SIerプライム・事業会社のいずれにも射程内です。田辺の2回目転職もこの年齢帯(27歳)でした。
30代前半(30〜34歳・経験8〜12年)
CCNPまたは同等資格+設計経験3年以上+クラウド経験で、事業会社・メガベンチャールートが射程に入ります。30代前半までに脱出を済ませると、その後のキャリアパスの選択肢が広がります。田辺の3回目転職はこの年齢帯(32歳)でした。
30代後半以降(35歳〜・経験13年以上)
未経験ルートでの脱出は難易度が大きく上がります。マネジメント経験・プロジェクトリード経験・特定領域の深い専門性(セキュリティ・クラウド設計等)のいずれかがあれば動けますが、純粋な技術職としての横展開は厳しくなる年齢帯です。
経済産業省の「DX動向調査(IPA DX白書)」によると、企業のDX人材確保において即戦力ニーズが高まる一方、35歳以上の純粋NW経験者の中途採用は減少傾向にあります。動ける年齢帯のうちに動くのが現実的な判断です。
まとめ:SES脱出ロードマップ再整理
最後に6ヶ月ロードマップを短くまとめます。
- Step1(2週間):市場価値の棚卸し(業務内容・資格・評価の文章化)
- Step2(3ヶ月):不足スキル補強(CCNP・AWS SAA・設計補助経験・職務経歴書の数字化)
- Step3(2週間):IT特化型エージェント2社+総合型1社の登録
- Step4(1ヶ月):求人選定(SES比率・プライム比率・想定アサイン先・過去採用者の現状・資格手当の5項目ヒアリング)
- Step5(1ヶ月):面接対策(転職理由の前向き言語化・実績の数字化)
- Step6(1ヶ月):内定獲得→退職交渉(カウンターオファーは受けない)
田辺の3回転職実数(350万→430万→520万→600万・+250万円)の中身は、結局のところ「Step4の求人選定精度」と「Step3のエージェント選び」の積み重ねでした。1回目転職の失敗(SES→SES横スライド)も、これら2点を軽視したのが原因です。
SES脱出はキャリアの方向転換そのもので、半年〜1年の準備が必要です。準備段階からIT特化型エージェントを情報源として使うと、ロードマップの精度が上がります。動き出す最初の1社として、まずは無料相談から進めるのが現場目線で最も再現性の高い選択です。
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よくある質問(FAQ)
- SESを抜け出すには何歳までが現実的ですか?
- 田辺のコーチング事例では、35歳までが純粋技術職としての脱出ルートが現実的な年齢帯です。30代前半までは設計経験3年以上+CCNP相当+クラウド経験で事業会社・SIerプライムが射程に入ります。35歳以上はマネジメント経験・プロジェクトリード経験・特定領域の深い専門性のいずれかが必要になります。動ける時に動くのが鉄則です。
- CCNAだけで自社開発企業の自社NW部門に転職できますか?
- 難易度は高めです。事業会社の自社開発NW部門はCCNP相当+クラウド経験+設計3年以上が一般的な要件です。CCNA保有でも設計補助経験3年以上+クラウド学習中であれば書類選考通過する事例はありますが、可能性を上げるならCCNP取得とAWS SAA取得を優先する方が安全です。SIerプライムなら CCNA+設計補助でも射程に入るので、まずそちらを狙うのが現実的です。
- SES内部での部署異動も「SES脱出」になりますか?
- 条件付きでなる場合があります。同じSES企業でも、プライム案件比率が高い部署・自社サービス開発部門・社内インフラ運用部門への異動なら、業務内容と経験が大きく変わるため脱出と同等の効果があります。ただし「監視部門から運用保守部門」のような同レイヤー内移動は脱出になりません。異動の場合も、移動先で設計工程・上流工程にアクセスできるかを事前に確認してください。
- SES企業の退職交渉で引き止められた場合、どう対応すべきですか?
- 原則としてカウンターオファーは受けない方が安全です。田辺のコーチング事例で2件、カウンターオファーに応じて残った人を確認していますが、いずれも1年後に同じ理由で再度転職活動を始めています。年収アップ・案件変更を約束されても、企業構造そのものが変わるわけではないため、根本理由(設計工程に触れる導線がない等)が解決しないことが多いです。退職を決めた時点で他社内定以外の選択肢は閉じる、と決めて臨んでください。
- フリーランスへの独立はSES脱出のルートとして現実的ですか?
- 5年以上の実務経験+設計または運用自動化の専門性があれば現実的ですが、運用負荷(営業・税務・案件継続性管理)が大きいルートです。月単価60〜120万円(年収換算700〜1,300万円)と高単価ですが、ボーナス・退職金・福利厚生がなく、案件終了リスクも自己負担です。田辺は副業ベースで部分的に経験中ですが、本業として独立するなら最低5年実務+直近2年でクラウドまたは設計経験ありが目安です。最初は副業から始めて月単価感を体験するのが安全です。
- SES脱出転職で年収はどれくらい上がりますか?
- 田辺の実数では3回転職で合計+250万円(350万→430万→520万→600万、所要12年)。1回の転職での年収アップは50〜100万円が現実的なレンジです。SES→SIerプライムで+50〜80万、SIerプライム→事業会社で+50〜100万、というのが田辺コーチング事例の中央値です。1回で+200万のような派手な数字を狙うとミスマッチが起きやすいので、3〜5年スパンで2回転職して着実に積み上げるのが現実的です。
- 転職エージェントは何社登録すべきですか?
- 最低3社、可能なら5社まで。田辺の推奨組み合わせはIT特化型2社(メイン+サブ)+総合型大手1社です。IT特化型を必ず2社入れる理由は担当者の質の差を吸収するため。1社目の担当者がいまいちでも2社目で当たることがあります。総合型1社は他業界比較・求人母数確保の補助として使います。5社まで増やすと面談時間負荷が大きくなるため、3社で動き始めて手応えが薄ければ追加する運用が現実的です。
※本記事は転職・求人サービスの公開情報と利用者の声をもとにした整理です。最終的なサービス選択・転職判断は各公式サイトの最新情報および厚生労働省等の公的情報をご確認のうえご判断ください。労務・契約条件に関わる重要な判断は、必要に応じて社会保険労務士・弁護士など有資格者へご相談ください。
公的情報源(本記事の根拠資料)
- 厚生労働省「職業紹介事業」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/shokugyoushoukai/index.html・2026年5月閲覧)
- 独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)「ITスキル標準」(https://www.ipa.go.jp/jinzai/itss/・2026年5月閲覧)
- 厚生労働省「労働経済動向調査」([https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/index.html](https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/in
